アカ族のアンティークビーズを使った新作ネックレスを先日掲載しました。
今日はこのアカ族の興味深い風習と日本との不思議な共通点について書きます。
カレン族シルバーネックレス/アンティークビーズa02-29 – 光を透過させるとアカ族を魅了した鮮やかな青が蘇る。
カレン族シルバーブレスレット/アンティークビーズa05-49 – 光を透過させるとアカ族を魅了した鮮やかな青が蘇る。
アカ族はタイ、ラオス、ミャンマー、中国雲南省にかけて住む少数民族です。
タイへは20世紀初め頃から、雲南省より南下し、現在海抜800m以上の山岳地帯に住んでいます。
焼畑を中心とした農耕生活を営み、質素な暮らしをしています。
信仰はアニミズムであらゆる物や自然現象に霊が宿ると考えます。
自然崇拝に加えて祖霊崇拝を重要視しており、驚く事に、系譜をたどり初祖にいたるまで60以上もの先祖の名前を暗唱できます。
アカ族の社会が父系制で、名付け方法が「父子連結名」のため、これを可能にしています。
「父子連結名」とは子供に父親の名前の一部を付けることです。
「我が父、家康。家康の父、秀吉。秀吉の父、信長。信長の父・・・」と続けるととても覚えきれませんが、「我が父、家康。家康の父、吉家。吉家の父、秀吉。秀吉の父、長秀。長秀の父、信長・・・」となれば多少覚えやすくなります。
名前と同じようにしてアカ族は自分の祖先がどこからやってきて、どこに住んでいたかを暗記しており、彼らの移住経路をたどることができます。
特別な儀式や葬式などでこれらは朗唱されます。
またアカ族のある2人がお互いの関係を知りたいと思ったら、彼らは自分の系譜を唱えます。
祖父の代から始め、曾祖父、曾々祖父・・・と繰り返し、お互いの共通の先祖が現れるまで続けられます。
アカ族は文字を持たない民族ですが、文字の代わりに語り継ぐことによって民族の歴史、伝説を記憶に保存しているのです。
アカ族の風習には日本と不思議な共通点があります。
アカ族では、稲の種まきの始まる毎年4月に、村の出入り口に木造の「門」を作ります。
この「門」は日本人なら誰でも知っている見慣れた「門」です。
垂直に立てられた2本の木。その上に水平に乗せた木は垂直の2本の木の間隔よりもやや長く、両端が少し反っています。
これらの門には縄が張られています。
そう、神社で必ず見かける「鳥居」と「しめ縄」にそっくりなのです。
この「門」には、木製の鳥が数羽載せられています。
日本の「鳥居」は「鳥の居る場所」と書きます。
現在の日本の鳥居には鳥はみかけませんが、「鳥居」の文字で分かるように、そのルーツには鳥が関係していることがわかります。
大阪和泉市の弥生時代の遺構から、アカ族の村の門に置く鳥とまったく同じ形の木彫りの鳥が見つかっています。
古代日本の鳥居には恐らく、鳥が据えられていたのでしょう。
アカ族のこの鳥居に似た「門」は神聖なもので、村人以外の人間は触れてはなりません。
村人たちは門が完成すると儀礼を執り行ない、その後この門をくぐり、村の中に入ります。
天の神が鳥に乗って降りてきて、邪霊や悪鬼を祓い、村人たちを守ってくれると信じられています。
なぜ幾千キロも離れた日本とアカ族に共通点があるのか?
誰しも疑問に思うはずです。
この謎を調べて行くと興味深い事実と歴史が浮かび上がってきます。
それは日本人のルーツにもつながっていきます。
これについては話が長くなってしまうのでまた次の機会に触れたいと思います。